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グローバルキッチン Vol.07

LIFE*よみもの

グローバルキッチン 〜世界とつながる私のキッチン〜

Vol.7 ミツバチと養蜂家さんのタッグが生む、はちみつ。

グローバルキッチン 〜世界とつながる私のキッチン〜

前回に続き、また甘いもののお話です。私はこんがり焼いたトーストに、バターとはちみつを重ねて塗った「ハニートースト」が大好きです。煮物を作る時、お砂糖の代わりにはちみつを使うとまろやかな味になりますよね。疲れている時には、たっぷりのはちみつを入れたフレーバーティーを飲むとホッとリラックスできます。栄養価の高いはちみつは美容にも良く、とても用途の多い食品といえます。


養蜂って、実はこんなに過酷なお仕事なんです。

ここから本題。はちみつ採取を仕事にしている人たちを、養蜂家(ようほうか)と呼びます。「養蜂って巣箱に自然と貯まった蜜を採るだけでいいんでしょ? ラクでいいなぁ」なんて思っている人、いませんか? いやいや、とんでもない!! 富山県のある若い養蜂家さんは言います。「良質のはちみつがたくさん採れる条件は3つ。『お天気』、『蜂が元気であること』、『花の状態』。でも、この3つが揃う年なんて、まずありません」と。それに、蜂は巣箱がはちみつで満タンになると逃げ出す習性があります。だから、朝一番に急いで採取しなければならないのです。採取したはちみつはその場で18リットル入りの缶に移しますが、水よりも重いため、1缶25キログラムもの重さになります。巣箱だって、はちみつが入っていない状態でも30キログラムもあるんです。忙しい時は毎日、夜明け前から夜中まで作業が続きます。養蜂って、実はこんなに過酷なお仕事なんです。

グローバルキッチン 〜世界とつながる私のキッチン〜

はちみつ専門店などで「リンゴの花」とか「アカシア」など、いろんな花のはちみつを見かけたことはありませんか? 不思議ですよね。どうやったら、他の花の蜜が混ざらないように特定の花だけの純粋なはちみつが集められるのでしょう? ここに、養蜂家さんたちの匠の技があるのです。花の蜜の出方は、花の種類によって、また気温によっても変わります。狙った花のはちみつを採るには、その花の蜜の量に見合う数の蜂を、現場へ連れて行くんです。経験からくる緻密な計算が必要なんですね。


今では国産のレンゲのはちみつは、なかなか手に入らなくなりました。かつては春になると、全国あちこちの田んぼで紫色のレンゲのじゅうたんが見られたものです。豆科植物であるレンゲソウは、その根に共生している細菌が空気中の窒素を固定するため、そのまま土の中に漉(す)き込むと肥料(緑肥:りょくひ)になるんです。でも化学肥料の登場で次第に姿を消してしまいました。先に紹介した富山の養蜂家さんは、レンゲのはちみつを採るために、お米を作る農家さんにレンゲの種を無償で渡し、協力して蒔いてもらっているそうです。

ところで、花の蜜をミツバチが巣箱に運んでくると、なぜはちみつになるのでしょうか? その謎の答えはミツバチが加える「酵素」にあります。ミツバチは巣箱に戻ると、体の中に貯めてきた花の蜜を仲間同士で、口移しで受け渡します。この時吐き出す酵素が、蜜をブドウ糖と加糖に変化させるのです。そして、乾燥させる役の蜂たちが数日かけて必死に羽で仰いで水分を飛ばし、20%にまで濃縮。ようやく、はちみつが完成します。


はちみつは、ミツバチくんたちの働きと養蜂家さんたちのご苦労の賜物(たまもの)なんですね。


<次回のリリースは11月27日。お楽しみに♪>

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LIFE*よみもの

永田麻美

永田麻美

(ながた まみ)

地域開発プランナー・コーディネーター

【プロフィール】
熊本県生まれ。(株)INAXから(学)産能大学(現・産業能率大学)に。同大にて企業の経営コンサルティングプロジェクト、企業人の意識調査、マーケティング調査に携わる。また、企業人のメンタルヘルス事業にて「メンタルマネジメント相談室」インテーカーを務める。 平成5年(財)21世紀村づくり塾入職(平成13年より(財)都市農山漁村交流活性化機構に名称変更)。 平成7年秋〜平成19年3月まで農業雑誌『びれっじ』編集長(『びれっじ』は平成19年4月より休刊)。全国の農山村を自ら取材、執筆、編集。 その後、食・農業・環境の雑誌『空ト風ニ』の編集長を経て現職。


【著書】
「アースウォッチ」(共著、第一書林)
「グリーン・ツーリズムとむらまち交流の新展開」
(共著、家の光協会)


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