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グローバルキッチン Vol.01

LIFE*よみもの

グローバルキッチン 〜世界とつながる私のキッチン〜

Vol.1 パンからみえてくる世界の事情?!

グローバルキッチン 〜世界とつながる私のキッチン〜

パンが大好きな人は、もしかしたら気づいているかも。
このごろ、パンが値上がりしています。
値段が変わってなくても、よーく見ると、微妙に1個が小さくなっていたり、スーパーであればこれまでのメーカーとは違う、ちょっと知らないメーカーのパンが並んでいたり。
実はこれ、ある特定のお店やメーカーさんでなく、今、日本中で起こっていることなんです。


パンに何が起こったの?

理由はパンの原料である小麦の値段が上がったこと。それも全世界的に。なぜ急に?
最近、ある国々がすごい勢いで小麦を買い続けているんです。そのせいで全体の小麦の量が足りなくなっています。その国々とは、中国、インド、ブラジル、ロシア。今も人口が増え続けていて、経済がぐんぐん成長しています。私たち日本人がそうだったように、貧しい時代を経て、経済が発展し豊かになるにつれて、これらの国々の人たちもパンやパスタなどの小麦製品を食べるようになったんです。

さらに、小麦を作る人たちも減っています。
今、アメリカを中心に、あと100年も持たないと予測される石油資源に代わって、サトウキビやトウモロコシなどの植物から作る燃料=バイオ燃料の生産が盛んになっています。
これまで小麦を作っていた農家は「あっちのほうが高く売れるから」と、バイオ燃料用のトウモロコシやサトウキビを作り始めました。さらには食用にナタネや大豆を作っている農家も「あっちのほうが儲かる!」と、バイオ燃料用に原料を売り始めてしまい、パンを作るのに使う食用油の値段まで上がっちゃった。サトウキビはお砂糖の原料でもあったから、お砂糖の値段も上がっているんです。


それに加えて、地球の温暖化。小麦輸出大国のオーストラリアでは2006年から大干ばつが続いていて、小麦が思ったように収穫できない状況です。パンが食べたい人が増えているのに、作る人も、作る量も減っている。だから、小麦の値段が上がっているというわけなんです。


グローバルキッチン 〜世界とつながる私のキッチン〜

でも問題はそれだけにはとどまりません。
バターや脱脂粉乳の値段も上がっています。最近では昔ほど牛乳が飲まれなくなっていて、2年ほど前、搾りすぎた牛乳が大量に捨てられました(需要が供給を上回って値段が下がることを避けるために行われる「生産調整」)。このとき北海道などの酪農家は、なんと牛の頭数を減らしちゃった!
それが結果的に、今の乳製品の値上げの原因になってしまっています。最近、よくニュースにも取り上げられる石油価格の上昇も、パン屋さんには大打撃。包装材の値段も上がるし、輸送費もどんどん値上がりしてしまいます。皆さんの中にもガソリンの値段が上がって悲鳴を上げている人も多いのでは?
小麦、牛乳、包装紙、輸送費と製パンに必要な素材が全部値上がりしてしまって、パン屋さんはもう大変!

小麦という小さい点につながるたくさんの糸をたどって行くと、こんなふうにいろんなことが見えてきます。
食卓にあるパン1個からも、さまざまな世界の事情がわかるんです。
確かめたい人、さっそく、パン屋さんをのぞいてみて。


<次回のリリースは9月4日。お楽しみに♪>

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LIFE*よみもの

永田麻美

永田麻美

(ながた まみ)

地域開発プランナー・コーディネーター

【プロフィール】
熊本県生まれ。(株)INAXから(学)産能大学(現・産業能率大学)に。同大にて企業の経営コンサルティングプロジェクト、企業人の意識調査、マーケティング調査に携わる。また、企業人のメンタルヘルス事業にて「メンタルマネジメント相談室」インテーカーを務める。 平成5年(財)21世紀村づくり塾入職(平成13年より(財)都市農山漁村交流活性化機構に名称変更)。 平成7年秋〜平成19年3月まで農業雑誌『びれっじ』編集長(『びれっじ』は平成19年4月より休刊)。全国の農山村を自ら取材、執筆、編集。 その後、食・農業・環境の雑誌『空ト風ニ』の編集長を経て現職。


【著書】
「アースウォッチ」(共著、第一書林)
「グリーン・ツーリズムとむらまち交流の新展開」
(共著、家の光協会)


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