

第8章 体を元気づけてくれる2つのハーブ。バジルとにんにく
バジルの香りは元気をくれます。
バジルの仲間は数多く、中にはシナモンの香りやレモンの香りのもの、濃い紫の葉を持つものもありますが、今回はスイートバジルのお話。

学名"Ocimum basileus"。このOcimumは「強く良い香りがする」basileusは「王様」を意味するギリシア語から生まれた言葉です。
太陽を好むハーブで、あたたかくなってから種をまくと(直撒きでも、プランターでも)簡単に育てられます。気軽にフレッシュバジルを手でつまめるようになると、夏の野菜—トマト、ナス、ズッキーニをとびきりのごちそうにしてくれます。
このバジル、育てるのはとても簡単なのに、保存しておくためにはすこし工夫が必要です。
今までお話したハーブ達とは違い、ただ乾燥させただけだと風味がずいぶんと落ちてしまうのです。
でも、くいしんぼうな人達はあきらめませんでした。むしろ、もっとおいしくする方法として、「ジェノバペースト」のレシピを考えてくれたのです。
新鮮なバジルとオリーブオイル、にんにく、塩と松の実をすりつぶすのが伝統のレシピですが、松の実の代わりにカシューナッツでつくるのもおすすめです。クセがなくて私は好きです。
このペースト、空気に触れるとすぐにいたんでしまうので、小さなビンに入れて保存していたのですが、去年の夏からは丈夫なビニール袋に平らにのばしてフリージングし、必要な分だけを折って使っています。とても便利です。

バジルと並ぶキッチンの香りの王様はにんにくです。
学名"Allium sativum"。「神様が作った、もっとも価値のあるハーブ」と讃えられています。
古代のエジプトでは、病気の予防と治療の両方で使用されていました。自然の抗生物質で、かつてソ連の陸軍が負傷兵の治療に使っていたので「ロシアのペニシリン」ともいわれていたそうです。
にんにくは、血圧を下げると同時に、血液のおそうじをしてくれます。
あの強烈な匂いは、アリシンという精油成分で、インフルエンザにも効くすばらしい抗菌作用があるんです。生のにんにくに多く含まれ、加熱すると甘みをもった成分に変わります。
ただ、生のにんにくを無理に食べると、胸やけがしてしまいますし、食べた後のニオイも気になりますよね。そんなときはひと工夫。たとえばショウガと一緒に料理されたものならそれ程胸やけをおこしませんし、パセリと一緒なら、パセリの消臭力でにおいもさほど気になりません。
りんごを食べるのも良いですね。りんごにも消臭力があり、生のりんごを四分の一切れ、にんにく料理をたべた後でたべると、臭わなくなります。
それではおいしく食べて、元気になるレシピを2つご紹介します。


↑バジルとガーリックの香る食卓
●材料(2人分)
- バジルペースト 大さじ2杯
又はフレッシュバジル1つかみとにんにく二分の一個
- ツナ缶 1つ
- トマト 中玉1個
- スパゲッティ 160g
- オリーブオイル、塩、こしょう 適量
- ザク切りにしたトマト、油を切ったツナ、バジルペーストを小鍋であたため、トマトに火が通ったら塩、こしょうで味を整える。
- ゆで時間に従ってゆでたパスタとからめる

バジルペーストがない時は、うす切りにしたにんにくをオリーブオイルで火(弱火)を通し、トマト、ツナ缶を加え、最後に手でちぎったバジルを加えてから、パスタにからめる。



●材料
- にんにく 2〜3個
- アンチョビ 2枚分
- マヨネーズ 大さじ4
- パセリ(少し刻んで) 小さじ1
- にんにくは皮をむいて、ラップでくるみ、3〜4分電子レンジで加熱する。
- やわらかくなったらつぶして、きざんだアンチョビとマヨネーズ、パセリを和えてよくまぜる。

ゆでたジャガイモ、にんじんやキュウリのスティックサラダにつけて、そのままどうぞ!!面倒でなければ、にんにくはオリーブオイルでじっくり揚げたものを使ってみてください。さらにコクがでます。


<次回のリリースは6月26日。お楽しみに♪>
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