

第3章「春の朝を楽しくするローズマリーの香り」

↑フレッシュローズマリー、花は青紫色です。
今回は、ローズマリー(学名:Rosmarinus officinalis)のお話。
マリアのローズとも呼ばれます。古くはロス(Ros「露」)、マリヌス(Marinus「海」)が語源で、「海のしずく」という美しい呼び名でした。地中海沿岸の潮風と太陽の光が、このハーブのイメージそのものです。清々しく、明るい気持ちにさせてくれる強い芳香をもち、松葉のようにとがった葉は常緑です。気候が合えば生垣として生い茂るたくましい生命力のハーブです。
ローズマリーの花言葉は「記憶」「思い出」。かつては「魔法の花」と言われていました。
脳の働きを高め、記憶力を強めると伝えられてきました。
春へと向かうこの時期は、眠気とだるさの対策にローズマリーのハーブティーを飲んでみて下さい。ペパーミントをブレンドすると、スーッとした味と香りにぼんやりした頭の中がクリアになって、呼吸も楽になります。ただし、このお茶は妊婦の方にはおすすめ出来ません。血圧を高くする作用があるからです。
ローズマリーの香りは集中力を高めると言います。
あのナポレオン・ボナパルトは出身地であるコルシカ島産のローズマリーの香水を好み、1日数時間しか(3時間程度だったそうです)眠らずにいても集中力がとぎれなかったと言われています。もし確かな品質のローズマリーのエッセンシャルオイルが手に入ったら、朝、ベッドから出る前にほんの少し嗅いでみると、すーっと頭が軽くなるのを感じるでしょう。
皆さんに親しみがあるのはドライハーブだと思いますが、もし、フレッシュのローズマリーを手に入れたら、香りを楽しむためのおすすめの方法をいくつかご紹介します。
すぐに使いたい時、ローズマリーのように強い香りのハーブは、そのまま口にすると強烈すぎますから、「油」に香りをうつして使うと程よくマイルドです。やわらかく練ったバター大さじ1杯に、ほんの4、5枚を細かく刻んで混ぜたり、オリーブオイルにつけ込んでパンにつけて食べたりするのは、美味しくて簡単です。
すこし時間をかけて、アルコール(日本酒がおすすめです)に漬け込むのも良いでしょう。これは美肌の化粧水です。清潔なビンに、日本酒とフレッシュローズマリーを入れて2週間程おきます。お肌の弱い人は、日本酒を沸騰させて、アルコール分をとばしてから、ハーブを漬け込み、刺激を和らげてから使うと良いですよ。


↑おしゃべりをしているような焼き上がり
今回はとてもシンプルな焼き菓子、スコーンにドライのローズマリーを練り込んだレシピです。
少し眠い春の朝に、こんな朝食が準備されていたら、とてもうれしく感じると思います。焼きたてを食べるためには早起きしなくてはいけませんが、前日の夜に生地だけでも仕込んでおいて、朝オーブンで焼きましょう。

- 薄力粉220gに塩ひとつまみと、ベーキングパウダー小さじ1杯を入れてふるい、
大きめのボールの中で1cm角に切った60gのバターと混ぜる。この時、粉とバターがさらさらになるよう、両手の中でよくこすり合わせる。

↑焼き目がオオカミの口のように割れていたら成功!!
- 小さじ2杯のドライローズマリーを細かく刻んだものと、お砂糖40gを(1)の粉に加えてよく混ぜ、卵1個を溶きほぐしたものと、牛乳40mlを加えて手早くまとめます。
- 生地を3cmの厚さに伸ばし、丸型で抜き取り、180℃のオーブンで20分程焼き上げます。

焼きたてにバターをたっぷりつけてどうぞ。
2つに割ったとたんローズマリーの香りがして、体中が目覚めていくのを感じるでしょう。


<次回のリリースは4月3日。お楽しみに♪>
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