

第4章 「“勇気のハーブ” タイム」
タイムの学名はThymus vulgaris。
このThymusは「勇気(thumus)」というギリシャ語が元になっていた、との説があります。
また、「タイムの香りがする」という言葉が男性へのほめ言葉だった時代もあったようです。
シソ科のこの小さな草は、大変寒さに強く、地面に近い所で沢山の花をつけます。
みつばちを呼ぶ植物でもあり、濃い赤、淡いピンク、白と、品種により様々な色をたのしめます。

タイムは「植物のお医者さん」です。
他の植物とまぜて植えておくと、まわりを元気にする力があります。殺菌力のある香りで、害虫をよせつけず、その花の蜜をあつめにきた蜜蜂のおかげで周囲の植物も受粉できるためです。
庭に香りのカーペットをつくりたければ、タイムを数種類植えてみると良いでしょう。とても丈夫で、様々な自然環境になじむたくましい草です。たとえば、1株のタイムを株分けして、山と、南の島とに移植してみたとします。2〜3年してその土地になじんだころに、その2つの香りに違いが生まれます。これは、タイムだけでなく、他の植物でも同じことがおこります。それぞれの土地の陽の光や土壌の質、降雨量などで香りは変化し、その場所にしかない“タイム”へと変化してゆきます。

お料理にかかせないタイムを、“コモンタイム”又は“フレンチタイム”と呼びます。
ちょっとつーんとした香りです。ローレル、パセリと共に束ねて、豆や肉の煮込み、スープなどにしずめておきます。これでもう、おいしさは約束されたようなもの。
このタイム、お料理にはもちろんですが、私はカゼ気味の時に濃い目のハーブティーをつくって、うがいをします。
のど、胸、消化器系に効果があると言われ、さらに殺菌力にもすぐれています。のみものとしてはくせが強いので、ちょっと塩を加えてうがいにつかうのが丁度良いかもしれません。

すこしリッチな味にしたい方は、タマネギをいためてからお好みの量のベーコンを
入れて下さい。
●材料(2〜3人分)
- オリーブオイル 大さじ2
- カリフラワー 中 二分の一ケ
- にんじん 中 1本
- 玉ねぎ 中 二分の一
- スープストック カップ4
- 塩・こしょう 適量
- ドライのタイム 2つまみ
- 野菜をすべてみじん切りにし、深鍋にオリーブオイルと共に入れて、弱火でじっくりといためる。その時、忘れずにタイムを入れる。
- スープストックを加え、弱火でさらに30分ほど煮込む。
- 塩・こしょうで味をととのえる。

火からおろして、ミキサーにかけてポタージュ風にしても良いです。
生クリームを加えるとさらに美味しいです。


さわやかな香りの“レモンタイム”は、チキンの下味や、お菓子に加えてもよい風味です。
ドライが手に入りづらいので、鉢植えを育ててみて下さい。
あなたに「勇気」を与えてくれるかもしれません。
<次回のリリースは4月17日。お楽しみに♪>
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