太陽が水瓶座に入った後、３時間あまりで月も水瓶座に入り、そこで新月が起きます。他の星たちもそれぞれ特別な角度を結んでいて、なかなか騒々しい新月です。とくに、争いの星・火星と、幻惑の星・海王星が魚座で重なり、そこに射手座から土星が鋭い視線を投げかけています。これは、うーーーん……と唸って、腕組みをしたくなるフォーメーション。騒動が必要以上に拡大され、当事者が過剰に責められるというストーリーが浮かんできます。
たとえば、最近よく見かけるインターネットでの情報拡散。これまでなら、関係者の間だけで「今度は失敗しないようにしようね」と声を掛け合うだけで済んだ小さなトラブルが、事情を知らない第三者によって写真を撮られ、前後の関係を無視し、センセーショナルな部分だけが切り取られて、大騒ぎになるといった事案が増えています。
トラブルそのものは大きくなく、その出来事によってそれほど損害があったわけでもないのに、一部分だけが拡散されることによって、『社会的にけしからん問題』に拡大してしまうのです。そして『誰が悪いのか？ 悪いヤツを叩け』という風潮になり、小さな失敗をしただけの人が、社会から過剰な制裁を受ける……。
先日、とある学校で起きた小さなトラブルがニュースになりました。詳細を書くと煩雑なので避けますが、ちょっとした人間関係のトラブルです。それがインターネットで拡散され、いつの間にかテレビの取材までやってくる大騒動に発展しました。
このとき、学校がとった措置が、水瓶座の新月のイメージそのものだったので、ご紹介したいと思います。
学校は、そのトラブルが起きてすぐ、報告文をホームページに掲載しました。そこには、トラブルの経緯が簡潔に記され、社会的に断罪されるほどの悪者はどこにもいないのだということがわかりやすく書かれていました。
トラブルを起こした当事者たちのことも、インターネット上で拡散した人のことも責めず、各人に同情すべき点があると認め、問題の大きさに即した収束のしかたをすべきであるとありました。
なるほど……出来事の概要が明確であれば、これ以上憶測が生まれる余地はないんですね。これを読んでもなお、おもしろおかしく騒ぎたてたら、その人が恥ずかしい人ってことになっちゃいます。
星占い師としては、この迅速で公正な対応に、水瓶座の象徴を思い浮かべずにはいられませんでした。水瓶座はヒューマニズムのサインです。人を責めるのではなく、活かすのが水瓶座。
さらに、水瓶座は『願い』のサインでもあります。説明文の最後は、学生と関係者を守りたいという、『教育者の本当の願い』で結ばれていました。このあたりにも、水瓶座の新月の示す道が現れているように思えます。
本当の願いがどこにあるのか、その願いはどうしたらかなうのかを考えれば、解決の道に至ると、星たちは語っているようです。
それではまた、満月の日に。あなたの願いについてじっくり考えながらお過ごしください。
七宮 昴 （スピカ☆スタジオ）