新月になる直前、月は蠍座の終わりの領域を通過し、水星と土星を立て続けに追い抜きます。そして、射手座に飛び込むや、その3時間後には太陽とランデブーを果たし、新月に生まれ変わります。
蠍座は12星座の中で、最も閉じた星座です。心と心を結びつける力には並々ならぬものがありますが、その分、秘密主義で、姿を隠そうとする傾向があります。英語のcloseという単語を思い浮かべるとわかりやすいでしょうか。a close friend(親友)とか、hold me close(ぎゅっと抱きしめて)とか、密着した近さを表す言葉です。
ところが、続く射手座ときたら、全く正反対。蠍座がcloseなら、射手座はすっかりopen! たとえるなら、どこまでも広がる大平原を馬に乗って疾走するような……
蠍座のロマンとは、まるで性質の違うロマンがここにはあります。月は、1日にして、閉じた世界から果てしなく開けた世界へと駆け抜けるのです。
この影響によって、全世界的にも様々なことがオープンになっていくでしょう。一夜のうちに状況が変わって、明るいニュースが駆けめぐるといったことが起きそうな予感。
状況の変化に伴って、親密な関係を解消する人たちもいるかもしれませんが、それも悪いことではなく、未来に向けた『発展的解消』となるはずです。
closeの蠍座とopenの射手座とどちらが良い・悪いということを論じているのではありません。『深さ』の方向にエネルギーを傾けるか、『広さ』の方向にエネルギーを傾けるかでは、力の向きが違うよね、というだけのこと。
星たちは、ここ1か月ほどの間、私たちが『深さ』に関しては十分にがんばってこられたと、認めてくれています。そして、この新月を境に、『広さ』を求めてはどうかと提案しているようです。本格的な寒さの訪れに身を縮こめたくなりますが、星は「外へ出よ!」と誘っています。
ぜひとも、遠くへ出かけたいものですね。今すぐは無理でも、旅行する計画を立てれば、この運気を活用できそうです。
また、とくにお勧めしたいのが、乗り物を運転すること。先ほど、射手座のイメージとして『馬に乗って疾走する』と書きましたが、車やオートバイなどの乗り物を運転するのにも通じると思います。乗り物の免許を取ろうとしている人には、非常に良い星回りですね。
運転ができない場合も、運転をした気分を味わうだけで、開運につながります。車の助手席に座ったり、電車の先頭車両に乗って、運転席の後ろから景色を見たりすれば、操縦しているのに近い感覚を味わえるでしょう。
それでは、また満月の日に。お気に入りのブーツとコートを身に着けて、外へ! まさにこれは射手座のファッションでもあります。
七宮 昴 (スピカ☆スタジオ)