今回の新月では、牡羊座、乙女座、蠍座の3星座間で特殊な星の配置が見られます。吉角度とあまりよくない角度が組み合わさった、複雑な星模様です。星の力は強力ですが、その影響はごく限られた狭い範囲でのみ有効で、大局的な視点で見ると、力の入っているところとそうでないところの差が大きすぎて、バランスを欠いています。人間関係の幅も狭くなり、ある特定の人たちの間で親密すぎる関係が築かれているかと思うと、他の人たちとは全くの没交渉になるなど、問題が起きがちです。
これが身近な地域での出来事であれば、よくあることと見過ごしてもよいのでしょうが、国家規模になると話は格段に深刻になります。重要な情報は限られた人たちの間でだけ共有され、一般の人たちには何も知らされないといったケースもあるでしょう。蚊帳の外に押し出された大多数の人たちには、なすすべがありません。
こういった難しい配置のときは、どのように星の力を利用すべきか、シンプルな答えが出にくいものです。新月には目標を立てるとよい、なんて言いますが、今回の新月はそう単純なものではないかも……。
次の新月が来るまでの間、このなんとも扱いがたい星の配置の影響は続くでしょう。私たちの日常生活でも、いつもより矛盾が多いように感じられそうです。この期間は、できることをできる分だけやれればよいと考えるのがいいでしょう。
星の配置をもう少し細かく見ると、吉角度は乙女座の水星と、蠍座でぴったりくっついている火星&土星の間で形成されています。これらの星の組み合わせは、多少のやり直しや失敗はあっても、ひとつのことを繰り返し飽きずに続けると、技術力がアップしたり、仕事で成果が上がったりするという意味です。専門的な知識を得たり、習得が難しい特殊な技術を磨いたりするには、良い星の配置といえるでしょう。たとえば、板前さんの修業などをイメージするとわかりやすいかもしれません。
今の時期は、あまり深く考えず、そして、最初から完璧であろうとせず、目の前にあるモノ・コトだけに集中しましょう。
また、他者の意見を聞くのは大事ですが、あまり聞きすぎると、お互いの価値観の違いにイライラする場面もありそうです。それならば、聞くのはあくまでも参考までとし、自分の考えを第一としたほうがうまくいくでしょう。
八方丸く収める方法はないと腹をくくり、あなたにとって最も重要な一点に集中してください。
それではまた、満月の日にお会いしましょう。次に月が満ちると、中秋の名月です。といっても、お月見をするのは、満月の瞬間より少し前なのですが……そのお話は、また次回。
七宮 昴 (スピカ☆スタジオ)