この皆既月食のホロスコープは2014年で最も激しいパワーを秘めた配置なのですが、いったんその件は置いて、もう少し遠くから見た太陽系のお話をしましょう。
一般的な現代の星占いでは、太陽と月の他、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の８つの惑星を使います。
このルールができたころは、冥王星の向こうにたくさん星があるなんて、誰も知らなかったのですが、21世紀になって続々と未知の天体が発見され、今や、冥王星より遠くを回っている星が12も確認されました。
最近の説によると、その12の星たちは、みんな同じ方向に引き伸ばされた軌道で運行しており、それは、星たちの軌道をゆがませるほど影響力を持った、もっと大きな星の存在を示唆しているのだそうです。太陽系の外縁はまだまだ謎だらけで、そもそも、どこまでが太陽系なのかさえよくわかっていません。
私たちの認識している宇宙モデルは、どんどん変わって、昨日は常識だったことが、今日はもう間違いになってしまうようです。「これが私たちの住む宇宙だ」と信じていた枠組みが、明日には、もう崩れていく……。
さてそれで、皆既月食のホロスコープです。そもそも月食は最もパワフルな満月であり、コントロールできない破壊的な衝動をもたらす配置です。その他の星の配置も、もうどこから読んだらいいのかわからないほど強烈で、天空には星たちによって作られた巨大な十字架、グランドクロスが浮かんでいます。かのノストラダムスが「恐怖の大王が降ってくる」と言って世界の滅亡をにおわせたのも、このグランドクロスが論拠でした（クロスを形成する星は違うけれど）。
やれ天変地異だ、世界の破滅だと叫びたくなりそうですが、でも、恐怖の大王が降ってこなかったように、今回のグランドクロスも、いたずらに恐れる必要はありません。月食やグランドクロスが表すのは、転換。ただし、とても大きな転換です。
先に述べた、太陽系の話がここにつながります。「これが私たちの住む宇宙だ」と信じていた枠組みが崩れるような出来事が起きるかもしれないのですね。
私は天文学を例にとりましたが、枠組みが崩れる可能性は、あらゆる分野に及びます。国境が変わる、歴史認識が変わる、法律が変わるなどなど、枠組みが失われると、大海原に投げ出されたような恐怖を感じます。
でもそれは、調査や経験を積むことによって、私たちの認識が変わるだけであって、宇宙は別段変わってはいない。知らなかったことが判明し、誤認していたことが正されるだけ。そんなふうに思うのです。
今回のような激しいパワーを持つ星の配置は、私たちに意識転換を促します。こだわりやわだかまりを捨てて、良い方向に転換したいですね。それでは、また次の新月に。
七宮 昴 （スピカ☆スタジオ）