今年は強烈な星の配置が続く年。この新月もまた、どこから読み取ったらいいのかわからないほど、星たちが複雑なフォーメーションを組んでいますが、初心に帰って『魚座の新月』であることに注目したいと思います。
魚座は、12星座の12番目。この後はまた1番目の牡羊座に戻ります。というわけで、伝統的に、魚座には『回帰』『もとに戻る』というイメージが込められています。1年は春分、すなわち、牡羊座に太陽が入るときから始まり、その直前である魚座は、新たな目覚めを待つ星座でもあります。
魚座の時期は、次のサイクルが始まる前の、静かな眠りの時間。とくに今年は、眠りを表す海王星の近くで新月が起こるので、なにやら本当に眠くなる人が多いかもしれません。『春眠暁を覚えず』というとおり、だんだん暖かくなってきて、気持ちよく眠れることでしょう。
4月以降の激動の時期に備えるためにも、この『眠り』はとても重要です。海王星の優しいパワーに身をゆだね、眠っておくのが正しいと考えてください。少しくらいお寝坊しても、だらだらした休日を過ごしても、今はそれでいいのです。
眠りといえば、つきものなのが夢。ギリシア神話では、眠りの神ヒュプノスには、オネイロイ(夢たち)という息子たちがいるといいます。モルフェウス、フォベトール、ファンタソスの3人で、それぞれ、人間、動物、無生物の夢をもたらすのだとか。
夢の神々は、幻想的な謎かけとともに大事なことを告げると古代の人たちは考えていました。新月の近くにある海王星は夢を表し、さらに、蟹座から新月に光を投げかけている木星もまた、神秘のお告げを下す配置にあります。
これから次の新月を迎えるまでの間は、まさに、夢のお告げが下るときと言えるかもしれません。
でも、夢はいつも儚く、起きて活動を始めたら、みるみる忘却のかなたへ消え去るもの。大事な夢を記録するために、枕元にノートやボイスレコーダーを用意しておくといいでしょう。1回の夢だけでは、なかなか判断するのが難しいのですが、継続して夢を記録するうち、なんとなく傾向が見えてきます。すると、無意識の中に潜むもうひとりの自分の想いがわかり、ストレスや隠れた願望のありかを理解して、よりよい『目覚めた時間』を過ごすことができるでしょう。
良質な眠りと夢のために、いつもより少し早目にベッドに入れるよう準備しましょうね。それでは、また次の満月の日に。
七宮 昴 (スピカ☆スタジオ)