地球の影を受ける満月は、たとえその影が本体をかすめただけだとしても、強力かつ極端なパワーを持ちます。他の星のフォーメーションも見ると『地面の下に埋まっている宝物』といったキーワードが見えてきました。ずっと昔、人類が一度は手に入れたのに、事故や政変、学者や技術者の死によって失われてしまった知識やテクノロジーが、再び発掘されるようなイメージがあります。
今、蟹座にあって力を増している木星は(蟹座は木星にとって居心地が良い場所なのです)この『よみがえり』に力を貸すでしょう。
二週間後の日食が蠍座で起きることや、土星の力が蠍座で働いていることを鑑みると、それは『毒』に関わる知識と技術のように思えます。毒を制し、毒を無害にし、もしかしたら、毒を薬に転じる知識。この星の配置が、具体的に何を意味するのかは、時が経ってみなければわからないですが、隠遁した老賢人の出現によって、私たちは何らかの危機から救われるでしょう。
ちょっぴり不思議なストーリーを語ってしまいましたね。このようなお話をしたくなるほど、今回の満月はマジカルなパワーに満ちているんです。この満月の光は、浴びすぎると少々毒があるかなあ……。
というわけで、開運法というよりは、毒を薄めて上手に利用する方法を紹介したいと思います。
『古い知恵に助けられる』というのは、身近なレベルにも及ぶキーワード。私たちも『昔から良いといわれているもの』に積極的に接するといいでしょう。地域に伝わっている言い伝えの中に、今を生きるためのすばらしいヒントが隠されているかもしれません。お年寄りの話や、すでに現役を退いている技術者、先生の話を聞くのもいいでしょう。
あなたの生まれた家が旧家であるなら、何代か前の先祖が書いた日記を読んだり、蔵の中を探ったりすると、有形無形の宝物がみつかる可能性があります。
とくに心当たりがないという場合は、思いつく範囲でよいので、近所にある古い建物へ行ってみましょう。地下ならなおよし、です。
そういえば、占星術にも『失われた学問』としての側面があるなあ、と、ふと思いました。この時期、私も古典占星術についてもっと勉強しようかな。それでは、また次回、新月の日に!
七宮 昴 (スピカ☆スタジオ)