この原稿を書いているとき、ちょうど東京がオリンピックの開催地に選ばれました。ホロスコープを眺めながら、テレビで日本のプレゼンテーションを見ているうちに、どうも今回の満月のテーマが、反映されているんじゃないかしらと思えてきました。
オリンピック・レガシーという言葉があります。レガシーとは、遺産、後に残す財産という意味です。オリンピックをただのお祭り騒ぎで終わらせるのではなく、開催によって、様々な分野で成果を残そうという理念です。オリンピック憲章には「開催都市・開催国は、建設的なレガシーを促進すること」とあります。そして、開催候補国は、プレゼンテーションの中で、自分たちがどんなレガシーを残せるのか、プランを提出しなくてはなりません。
満月の瞬間の少し前、金星、土星、ドラゴンヘッドがぴったりと蠍座で重なります。蠍座は、まさにレガシーそのものを表す星座で、土星は成果や後に残すもの、ドラゴンヘッドは、世代を超えて伝えていくものを表します。なんたる符号、地上の現象が、星の象徴にも表れているではありませんか。
そして、金星は愛と平和と喜びの星です。レガシーとして何を残すべきか、次世代に伝えるべきはなんであるか、なにを目標に成果をあげるべきであるか、ここにおのずと語られています。
日本はプレゼンテーションの中で、たくさんの素敵なキーワードを出しました。中でも、滝川クリステルさんの『お・も・て・な・し』は、とても印象に残りましたね。優しい笑顔と、相手に対する心遣い。これも、まさに金星の象徴するところです。滝川さんが美人であることも、ちょっと関係あるかな。
そして、金星に対し、蟹座にある木星がとても良い角度をとっています。オリンピックは、そもそも木星の神ゼウスのお祭り。しかも、ゼウスには『客を愛する』という異名があって、これがすなわち、おもてなしの心そのものなのです。古代ギリシアの人々は、外国から来た客人をもてなさないと、ゼウスが怒るよ、と言っていたのだとか。
こんなすばらしい星の配置のときに決まったのですから、東京オリンピックは大成功するでしょう。また、これは同時に、相手に対する優しい心を抱き、愛と平和と喜びを作り上げなさいという、星からの指導でもあると思います。
おもてなしの心や思いやりの心をもって人に接することは、今すぐでもできます。この機会に、身近な人たちに喜んでもらうプランを立てましょう。お仕事で疲れている人に、一杯のお茶を差し出す……そんな小さなおもてなしが、幸運を引き寄せます。
愛と平和と喜びのレガシーを表す金星と土星は、しばらくの間、日没後の西の空に見ることができます。お天気のいい日には、見上げてくださいね。それでは、また次の新月に!
七宮 昴 (スピカ☆スタジオ)