今回の新月が起きる乙女座がどんな姿であるか、みなさんも一度は見たことがあることでしょう。美しい女神の立ち姿で、手の位置には麦の穂を表す一等星スピカが輝いています。
メソポタミアの時代には、すでにこの形になっていた大変古い星座で、ギリシアに入ってから、農業の女神デメテルやその娘ペルセフォネであるとみなされました。または、次の星座である天秤を持っている女神、アストライアであるともいいます。デメテル母子である場合は、穀物の女神であり、アストライアである場合は、秋の収穫を公平に分ける女神です。
どのように解釈するにせよ、私たちが日々を無事に、誠実に生きるために力を貸してくれる女神たちであり、とりわけ『食べもの』の大切さを象徴しています。
今回の新月では、デメテルを表すもうひとつの星、小惑星ケレスも乙女座に入っており、『食』というテーマが強調されているようです。世界規模で、食糧問題の解決法が話し合われたり、これまでの研究成果が出たりして、少しずつ飢餓問題が快方へと向かうのではないかと思えます。先進国では、子どもたちの食育が、大きくとりあげられるかもしれませんね。
『食べること』は、誰にとっても大切な、生きるための基本的行動です。質の良い食生活は、健康をもたらし、質の高い仕事や楽しみへとつながります。
食の女神たちのパワーが地上に届くこの新月をきっかけに、私たちも日ごろの生活を見直しましょう。忙しいからと食事をおろそかにしてはいないでしょうか。みずみずしい野菜を自分の歯で噛み、香りも味わう、きちんした食事をするよう心がけるのは、とても大切です。
また、乙女座は収穫期の星座であり、古来、次の収穫までの準備開始を示す星座でした。現代なら、なにかあったときのために食料を備蓄することにもつながると思います。乙女座に輝く麦の星スピカにあやかって、穀物をベースにした保存食を用意するのもよいですね。
そこまで難しく考えなくても、この時期の開運食として、ティータイムにクッキーやビスケットを楽しむのもグッド! 本格的なパン作りに挑戦するのもおもしろそうです。
それではまた、次の満月にお会いしましょう。9月19日は中秋の名月です。良いお天気になるよう、祈りつつ。
七宮 昴 (スピカ☆スタジオ)